新しいコメント・評価 (タイトルをクリックすると当該項目に移動します) Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 1986年7月発表、オリコン堂々1位を獲得した問題作であり意欲作たるKUWATA BAND名義唯一のオリジナルスタジオアルバム。本来なら別途バンドを登録して紹介するのが筋ですが、持ち前のО雑把気質とどうせたかが1年間限定のバンドでシングル曲が既に立てられコメントも少なからずあるため安直にここへ持ってきました。全12曲英語詞、作詞は米MA出身で当時活動停止中であったゴダイゴのドラマーTOMMY SNYDERが手掛け、彼はその後桑田やサザンと関わっていきます。なお作曲は桑田個人ではなくKUWATA BAND名義。桑田自身が当時"日本や東アジア近隣諸国のロックはいずれ全部英語詞になる""自分のロックを表現するには英語詞しかない"と信じてそうしたのにアッサリ失敗作だと反省。世間の評価も英語詞にする必要があったのか等色々辛口に取り沙汰されることが多かった本作ですが、1曲もシングルカットされていない
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-17 01:30:58)I'm a Man (アイム・ア・マン・フロム・ザ・プラネット・アース) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 宇宙人?いや"別の空間に存在する地球に住む人"?に遭遇したという不思議な歌詞の12曲目、ラストテューンです。SFと言うよりも自己反省か教訓を得たような内容ですかね。桑田らしい昭和歌謡的なメロディで進行しますが、音像はソフトなスライドギターとメジャー調になるサビのコーラスが心地よく、気持ちよくアルバムを締めてくれる名曲です。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-16 08:06:10)Feedback (理由なき青春) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 KUWATA BANDのシングル曲も含めたタイトルを随所に配してストーリーになっている歌詞が面白く、しかも桑田の対訳が意訳を超越してデタラメっぽいです。コンパクトな11曲目にしてリードヴォーカルが桑田でなくG.の河内淳一、もしかすると作曲も彼かもと思わせるほど桑田と毛色が異なり、個人的にピンときたのはBOBBY HEBBの"Sunny"をアップテンポのシャッフルにしたような縦ノリで黒っぽいロック。そうそう"さんまのまんま"OPテーマに使われました。当時は桑田共々アラサーでしたね。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-15 01:47:17)Devil Woman (デビル・ウーマン) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 "NIPPON NO ROCK BAND"も終盤10曲目になりました。音像はちょいヘヴィなミディアムスローのブルージーなロックで耳心地が良いです。一方で歌詞は洋楽ロックにありがちな魔性の女に魔法をかけられたという内容。さすがの桑田もsuccubusのような女性に魅入られてはどうしようもないですか。しかし忘れてはいけません、本作は全曲TOMMY SNYDER作詞・KUWATA BAND作曲&編曲となっています。SNYDER氏が桑田のキャラを十分理解して情事、果ては浮気や不倫の歌まで作っているのでしょう。それが偏見でもいいから徹底的にやってくれて正解です、しょせん音楽の世界ですから。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-12 01:58:38)"Boys" in the City (ボーイズ・イン・ザ・シティ) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 アルバム9曲目はイントロからカッコいいタイトなロックテューンです。ジェットコースターみたいかと思えばシンプルにもなり耳に残るメロディが歌謡曲っぽくもありますね。しかし"boy(s)"とは字面通りのお洒落な意味ではなく"bum"と表現されるような男、そういう"underground"なboysがのさばり"どこでも誰でも善人の心を焼き払うgreedの炎"を内包する社会への不安を訴える歌詞となっています。英語詞だから可能となった一種のプロテストソング、とくと拝聴あれ。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-11 02:30:21)Go Go Go (愚かなあいつ) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 BOB DYLANがBEATLESナンバーを歌ってる感じ? でなけりゃメジャー調のROLLING STOUNES風なミディアムロックが流れる当該アルバム8曲目。"You were up to nothing good"というダメ人間は例えば酔っ払いのアル中かも知れませんし、単なる怠慢なプータローか逆に犯罪行為手前の状態とか色々考えられます。しかし彼は主人公の友人であり再起・更正を願って気遣いつつ自分も頑張るよって内容。問題解決には至ってないけど友を見捨てたりしていないのが救いですかね。聴く者の立場次第でイメージが膨らむ状況の楽曲ですよ。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-10 01:56:16)Red Light Girl (街の女に恋してた) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 商売のお姉さんに恋してしまった哀れなストーカー男、でも最終的には"諦めなきゃならない時かもな"となって一安心です。歌詞によればタイトルがそういうお店で仕事中部屋の外に点灯する赤ランプを意味するらしい、KUWATA BAND名義唯一のスタジオアルバム7曲目。他の"red light"が付く曲を聴き直すとまた違う解釈になるかも。音像に限ってはシャッフル調のブルーズロックでなかなかイケてますよ、原坊の居ぬ間に何やってんだかな内容を除けば。
MK-OVERDRIVE ★★ (2025-04-09 01:50:01)You Never Know (恋することのもどかしさ) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 のっけから"女性のやることはよく解からないもんだね"と嘆くアルバム6曲目。そう言いながらも彼女が好きな訳で要は恋愛下手な男がイライラしてるだけのようですね。全体にリズミカルなのが良し、R&B系(日本で言う)AOR風に始まりサビで一気にキャッチーなリフレインに転じる構成が個人的には好きです。決して自分を顧みて同意するものではありません(汗。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-08 01:36:52)春だったね / 元気です。 / 吉田拓郎 →YouTubeで試聴 本人曰くBOB DYLANを真似ただけという突き放した歌い方が特徴ですね。そしてこの曲以外にクレジットが見当たらない田口淑子という謎の人物による歌詞も、たまたま見つけた想い出を"あゝあれは春だったんだね"で打ち切って忘れてしまいそうな潔さ。そんな歌詞を紡ぐメロディは字余り気味ながらも春の陽気みたいに心地よいテンポでポンポン弾けます。1972年7月リリースの傑作3rdアルバム1曲目を飾るこの曲、シングルとしては出ていませんが拓郎の春の歌としてかなり有名ではないでしょうか。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-06 09:19:17)Paravoid (彼女はパラボイド) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 イントロからしてカッコいい5曲目。歌詞はイカレた彼女とのすれ違いに悩む男の嘆きということで、日本語だとダイレクトすぎるかもだから英語詞で正解。イントロが"移民の歌"でパラボイドとはparanoidまたはparanoiaとvoidが元ネタの造語らしいです。いずれにしろ桑田の音楽は言葉を超えたノリが全て、これもそんな傑作ですよ。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-05 02:40:36)Believe in Rock'n Roll (夢見るロック・スター) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 オールディーズ風なメロディが耳に心地よいアルバム4曲目。と言ってもサザンほどキャッチーではなくクラシックロックで聴いたような。また桑田のルーツ昭和歌謡のエッセンスも感じられます。"うちのバンドの演奏がラジオのヒットパレードから流れてきたらなァ"の辺りは完全に昭和チック、ラジオ少年だった身に刺さりますね。本作中ハイライトの1つでしょう。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-04 01:58:20)Zodiak (不思議な十二宮) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 KUWATA BAND名義唯一のスタジオアルバム3曲目。縦ノリビートに乗せてメンバー全員によるサビのコーラスが呪文みたいに聞こえる文字通り何とも不思議な曲です。十二支やら占星術の世界をロックに反映させる桑田の発想は今さら驚くほどでもありませんが、あまりマニアックに走られるとポップ好きな私的にはイマイチなんですよ。
MK-OVERDRIVE ★★ (2025-04-03 01:32:02)All Day Long (今さら戻ってくるなんて) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 アルバム2曲目はサザンによくあるラテン風味の効いたファンキーなメロディックロックの全面英語版です。いわゆる失恋ソングで"一日中傷ついてるよ"と浮気女に対する怒りが滲み出たヴォーカル、と思いきや"またヨリを戻そうとしている"彼女に困惑している様子が見て取れますね。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-02 01:43:39)She'll Be Tellin' (真夜中へデビューしろ!!) / Nippon No Rock Band / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 全曲英語詞、よってシングル曲とは完全に独立しキャッチーでもなく好き放題やってます的なアルバムのオープニング。かなり黒っぽいロック、例えばROLLING STONESにもありそうだし米国のサザンロック的な雰囲気も醸し出しています。このリズムとツインギターが繰り出すグルーヴが粋ですね。歌詞はナンパ指南といったところ。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-04-01 01:26:22)桜三月散歩道 / 氷の世界 / 井上陽水 →YouTubeで試聴 ↑フジオプロの人ですね、因みに語りは大野進。当時はそうか桜って3月に咲くんだなと再認識し、3番の"町へ行けば人が死ぬ"という部分に引っ掛かった私。東京・葛飾生まれの長谷氏が見てきた東京大空襲や安保闘争、自分たちが起こした漫画革命などが背景と言われます。時は過ぎ'70年代になって人々の関心事は大きな社会問題から自分の小さな世界の問題へと移った、そんな様子を見事に表現していますね。歌詞と共に陽水がオリジナルの"まんがNo.1"版から少し変えたという語りが棒読み気味ですが、筑豊弁にでも直せば良かった? いやこのままで結構、それも味というものです。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2025-03-15 09:45:04)Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 バンド形態でない真の1stソロアルバム制作は1987年夏から取り掛かっていたとのこと。まずは同年10月に10.、翌'88年3月に6.とシングルをリリース、更に同年6月サザンの再活動シングル"みんなのうた"をリリース後、ようやく7月に本作リリースと実に1年掛かりです。プロデュースはその後約5年に亘り関わっていく小林武史、そして桑田本人はヴォーカル・コーラスに専念しギターはゲストミュージシャンに一任。あの桑田佳祐がこれだけじっくり作ったアルバムが話題を呼ばない筈はなく、見事オリコン1位の大ヒット。時代はバブルへ向かってイケイケムードでしたが、本作ではそういう傾向はサザン時代から受け継いだシンセサウンドだけに留め、むしろこれもサザン時代から引き続き世相を風刺する曲、また逆にソロアルバムらしく落ち着いて昔を回顧、自己を再確認する曲も適正に配置されました。デビュー10周年、大人になった桑田氏の節目
MK-OVERDRIVE ★★★ (2024-12-30 02:30:32)誰かの風の跡 / Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 エンディングを飾るに相応しい落ち着きと優しさを備えた、まさしく風のように吹き去っていった彼女との夏の日を回顧するしっとりバラードです。本作では唯一桑田佳祐、小林武史、藤井丈司の3人のみ参加、桑田がヴォーカル専業に徹した故にギターレス。でもそんなことは何ら問題ではなくじっくり聴かせるゆったりした曲展開、特にサビの歌詞が印象的ですね。なぜシングルにしなかった? これも今となってはどうでも良い話でしょう。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2024-12-29 08:40:25)愛撫と殺意の交差点 / Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 サイケ風なブルーズに乗せて様々な角度から性と暴力が交錯する現代社会をダイレクトに風刺しつつ"Baby, please don't do what we have done"、"Children, be good after we are gone"と次世代の子供たちに呼びかけています。この曲にも竹内まりや、終盤のシャウトには何とご子息も登場。アルバム通しで聴くなら飛ばしても良いと本人は言いますが、いやいやなかなかのもんですよ。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2024-12-28 02:18:50)遠い街角 (The wanderin' street) / Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 CARPENTERSの"Close to You"を彷彿させるピアノが主体の仄かな哀愁が懐かしい感覚で心地良いバラード。歌詞は時代の流れで変わりゆく街並を憂い哀しみを表現したものです。自身出演のフジフイルムのCMソングに起用されました。コーラスには竹内まりやが参加しています。"誰かの風の跡"と同様シングルにしても良かったと思える曲。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2024-12-27 08:40:46)Blue ~こんな夜には踊れない / Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 "ひと目逢って踊れば愛せるまでに"踊りたくなる軽快なリズムと"熱い気心が触れ合う大人達の夜明け前"を思わせるアダルトコンテンポラリーな曲調と歌詞。どうせサザンでも演れる音楽だったら大人のディスコテューン、こういうの待ってたんですよ。翌年"ラッフルズホテル"という村上龍監督映画の主題歌になったらしいですが、映画自体が不評でこの曲も知られざる存在に。せめてここでスポットライトを当てましょう。
MK-OVERDRIVE ★★★ (2024-12-26 02:17:23)Big Blonde Boy / Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 NYでHALL & OATESに会った時の印象を歌う曲。タイトルがDARYL HALLで"相棒だっていい野郎で…Oats(オツ)な和音"がスペル違いだけどJOHN OATESですか。後の歌詞はハッキリ言って適当。曲調も彼らの音楽に似せたようですがそこは桑田、何せアクが強いこと。私的には翌年の"フリフリ'65"に通じるノリを感じますが如何でしょう。
MK-OVERDRIVE ★★ (2024-12-25 02:00:32)ハートに無礼美人 (Get out of my Chevvy) / Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 "その気にさせといて何もかも拒む無礼美人"に"俺のシボレーから降りろ"と歌う曲です。"愛倫行動"とどっかで見たよな聞いたよな造語も登場して、韻を踏む都会的な男女の駆け引きを描いた歌詞は本人も拘ったそうな。ブラス主体のジャジーなサウンドがお洒落な演出の歌謡曲とは言いますが、これってサザンでも出来ることですよね? ソロで聴くと煩雑で忙しないイメージ、あくまで個人的な印象ですが。
MK-OVERDRIVE ★★ (2024-12-24 01:31:46)Dear Boys / Keisuke Kuwata / 桑田佳祐 →YouTubeで試聴 自らの息子について歌う発想はJOHN LENNONの"Beautiful Boy (Darling Boy)"から、音像はPAUL MCCARTNEYの"Ram On"と"Dear Boy"からの換骨奪胎らしいです。サザンではできないことをソロでやった、その典型とも言える曲。ただPAULの2曲をオマージュしたことからマイナー調になってしまったのが個人的にイマイチ。JOHN生前最後の音楽を避けたのは何故? モヤッとしますね。