この曲を聴け! 

D.F.R. / SQUEALER(FRENCH)
失恋船長 ★★★ (2025-06-15 01:22:11)
一部の批評家のせいで、英米以外の国はロック後進国を見なされ格下扱いを受けていました。それは日本も同じでBURRN!誌における、日本のバンドは今後一切掲載しないという姿勢など、正に、その代表的な事例だろう。
ドイツのロックは英米のジャーナリスト達から、クラウトロックをバカにされた時代がある。やがて、そのクラウトロックは好意的に意味合いで使われる時代が来るのだが、おそらくは、そういう姿勢を真似たのが一部の批評家なんだろう。かつての日本人あるある。ハリウッド映画最高、全米が泣いた、○○第一位とかね。そういう文言に踊らされる人たちが沢山いましたが、ことメタルの世界では一番遠い位置にある感覚だと子供の頃は思っていましたが、実は一番、その権威と○○第一位に引っ張られるのが日本のメタルシーンであった。とは言え、ごく一部の話なのだが、コアなファンはもっと突き詰めるし雑誌の評価で自分の耳を疑う事も無いだろう。心に響いているかが重要。点数も売り上げも人気も関係無し。

関連性のないバンドを高評価のみで追いかける人生ほど虚しいモノはない。このバンドはフランス出身。もうこれだけで格下扱いだが、実はこのバンドはワールドワイドな感性をもって世界に打って出ている。
ACCEPT風味満載の男臭いコーラスワーク。屈強なリズムパートが出る場面、そしてクラシカルフレーバーをたっぷりとまぶしたリードギターのウルフ・ホフマンぶり、それだけでは終らない、世界を席巻するL.Aメタルなエッセンスも大胆に取り込み、エレガントなフレンチスタイルだけではない華やかさを持ち込んでいる。

この相反するエッセンスを実に上手く両立させている。この個性的なダミ声も、このサウンドにベストマッチ。ACCEPTを初めて聴いたとき、もっと普通の声でイイじゃないかと子供の頃は思ったが、もう少し大人になると、あの声あってこそと思う、あの感覚と同じである。

全8曲、32分というランニングタイムの清々しさ。グロウルOKな時代なんでしょう、ならば聴きやすい作風の今作は、80年代型メタルの美味しい部分もしっかりと詰め込んでいます。ノリや勢いでやっていない構築されたサウンド。奥行きのない音質のせいで、ダイナミズムが足りないのだが、気軽な気分で楽しめますね。

メタル初心者に丁度良いかもしれない。マイナー調のメロディとクセの強い歌い手、どこか親しみやすいロックなリズム。扇情的なソロを奏でるギターと、メタル愛に溢れている。金の掛ったメジャー作品は、全米が泣いたと同じなので、こういうマイナー系から耐性をつけて欲しいと思いますね。この歳になると金の掛った作品がチョイとハズい気分になる。

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