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今週のアルバム10選
失恋船長 (2025-04-06 07:23:02)
『ヘヴィメタルが聴きた㊲』後編


①ANVIL - Absolutely No Alternative
苦労人バンドとして有名な彼ら
解散することなくアルバムをリリースしてきた彼らが
ドキュメンタリー映画で大ブレイク
お下品な歌詞と女性蔑視とも言える歌は今も昔もOUTと言える
このバンドはつまらない作品もある
全作がオススメとはいかないが
それでもメタルに対する忠誠心
Absolutely No Alternativeというタイトルに全てが詰まっている
最新作はOne and Onlyだ
リップスはメタル馬鹿だ
普通ならばドキュメンタリー映画で売れた後になびくだろうよ
陳腐なバラードをシングルカットするだろうよ
あのオッサン最後まで貫くぞ
ワシは永遠にANVILを聴き続けるぞ







②Loudness - 撃剣霊化
アイドルでわーきゃー言われていたのに
自分の夢のためにヘヴィメタルバンドを組むという
信念を貫き通して高崎晃と樋口宗孝
その後の快進撃は名実共に実力があってこそ
このアルバムは英国式メタルを日本人が解釈した最高峰であろう
渡米後の洗練された作風も素晴らしいのだが
個人的には今作とそれ以降では心に隔たりがある
真の輝きを永遠に放つ今作は名盤中の名盤だ





③Judas Priest - PainKiller
ブリティッシュメタルとしてはBritish Steelだろう
そして80年代的ヘヴィメタルの雛形を作ったのは
Screaming for VengeanceとDefenders of the Faithだ
その後はメタルバブルにより多くのバンドが姿形を変えることとなる
そうして多くのバンドは命がつきるのだが
JPにも同様の宿命が訪れる
翻弄されるバンド
シーンに振り回される彼ら
ロブ・ハルフォードが引退を口にするほどだったが
そのロブはFIGHT結成とは驚いた
今作は台頭するスラッシュメタルに対する答えだ
これほど過激でスラッシーなサウンドに進化出来たのは
ドラムがスコット・トラヴィスに変ったからであるのだが
セールス的には成功ではないが
音楽の価値は売り上げではない
今作は迫り来る90年代を前にして最後にリリースされた真のヘヴィメタルだった
でもJPが今作リリースに至ったのはセールスに伸び悩み
苦悩の末のヤケクソだったと思っている
そしてプロデューサーを務めたクリス・タンガリーディスは一躍時の人になった
そしてアンセムはクリスとのスケジュールが合わずにトニー・タバナーとアルバムを作る
運命とは実に残酷なモノだ両者の命運をここまで二分するとはね
アンセムは福田洋也脱退である






④ANTHEM - Hunting Time
坂本英三と作り上げた傑作中の傑作
Bound to Breakはヘヴィメタルの理想的な形を昇華させた代表作
今作リリース時は迫り来るバンドブームに追いやられる前に
苦心して作り上げた最後の一枚
森川之雄という唯一無二の歌声を手に入れたバンドは
獣性の帯びた森川の歌を頂点にアンサンブルを構築
明確に聴かせたい面を強調している
大きな会場を回っていたのも今となっては懐かしい
クリス・タンガリーディスのプロデュース&ミキシングも素晴らしい
国産ブリティッシュメタルの最高峰だ








⑤Metallica - Ride the Lightning
暴れに暴れたデビュー作
上手い下手では言い表せないバンドサウンド
そのぶっ飛び感に恐れ戦いたが
クリフ・バートンの作曲センスが炸裂
叙情味溢れるメロディは音楽性に深みをもたらし
破天荒なだけではない整合性を高めた
2作目でこの完成度
正直1stはヤケクソのデモに近い音源だ
個人的にはインパクトでは1stだが
スラッシュメタルに心酔するようになったのは今作があるからだ

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