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Unity / PARIAH
火薬バカ一代 ★★★ (2025-03-27 07:48:47)
SATANからBLIND FURY、そしてPARIAHへ。名盤『BLAZE OF OBSCURITY』(’89年)を残して活動を停止していたスティーヴ・ラムゼイ(G)率いるPARIAHが突如復活を遂げ、’97年に発表した3rdアルバム(にして今のところの最終作)がこちら。
名前のインパクトが抜群だったフロントマン、マイケル・ジャクソンは脱退している上、アートワークから受ける印象も「本当に同じバンド?」というぐらい異なっているので、実際に聴く前はかなり不安だったのですが、OPナンバー①のアコギとエレキが絶妙に絡むイントロが走り始めた瞬間、そうした心配は杞憂となって雲散霧消していきましたよ。
よりメロディアスに歌い上げるタイプの新Vo(元TYSONDOGのアラン・ハンター)、クリーンに整理された音作り、空間や押し引きを生かした曲展開/アレンジ等に彩られたサウンドは、スラッシュ/パワー・メタル的な畳み掛けるアグレッションこそ薄れたものの、憂いを帯びたメロディを熱唱するVoの「ザ・ブリティッシュ!」な声質のくぐもりっぷりといい、「英国メタル界の翼君と岬君」と勝手に呼んでいるスティーヴ・ラムゼイ&ラス・ティッピンズ(G)が阿吽の呼吸から繰り出すツイン・リードといい、聴いた瞬間にそれと分かる(SATAN時代から脈々と受け継がれてきた)PARIAHならではの個性はしっかりと健在。殊にゴールデン・コンビが手数多く変幻自在に刻むGリフのカッコ良さに痺れる①⑥⑧、バラード調にスタートし緩急を飲み込んでドラマティックに展開していく③辺りはその好例というべき名曲ですよ。
気が向いたらまた是非アルバムを作って欲しいなぁと思わずにはいられない1枚

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