この曲を聴け!
アニソン/ゲーソンこの曲を聴け!
Usher-to-the-ETHER (2007-03-14 23:29:00)
【六弦アリス/ファンタジア】
去年の暮れに発売された「六弦アリス」のデビューアルバム。
音楽的にはSOUND HORIZONに強く影響を受けているらしいですが、確かに、アレンジに
プログレ要素を潜ませながらもドラマティックで聴きやすく仕上げているところや、
トラッド的な親しみやすいメロディ、幻想的なストーリーを下敷きにしたコンセプト性など
かなり音楽性的に共通する要素が見受けられます。ただ、語りはなく、曲がコンパクトなので
SOUND HORIZONと初期ZABADAKの中間といった方がより正しいかもしれません。
ヴォーカルは上記アーティストと同様に女性で、ちょっと「約束」のAメロや「始まりの雨。」
などポップな曲で多少力みがちな部分もありましたが、声質が柔らかでファンタジー世界の
語り部に良くフィットしていると思います。特に神秘性を感じさせる「樹海のヒカリ」での
表現力が素晴らしい。アレンジも丁寧で、ほぼ打ち込みで作ったらしいですがチープさは
あまり感じません。多少ミックスに、ヴォーカルが気持ち良く聴ける音量だと楽器の音が
大きすぎたりする所もあったけど、基本的には綺麗な音。壮丁もしっかりしてて、なんか
メジャーから出ているCDを買ったみたい(笑)
メロディは…これは一番の美点かもしれません。曲によっては上記アーティストを凌ぐかも
しれないくらい琴線に触れるメロディで、特に「約束」のサビメロはこの手が好きならば
聴かずに死ねないレベル。以下、お気に入りの曲をいくつか。
「妖精と少年」
もしもアルバムからシングルカットするとしたら、真っ先に選ばれそうな曲。
曲の構成など、最もSOUND HORIZONの影響が強いように思います。途中のややアップテンポに
なってキャッチーなトラッドメロから歌に繋がる箇所が特にグッと来ます。
テーマは全く違いますが、SHの「見えざる腕」などを思わせるドラマティックさ。
「樹海のヒカリ」
志方あきこを思わせる、民族的ヒーリングミュージック。
全造語詞ですが、雰囲気的にはゲルマン系の言語、特にドイツ語に近いかな?
個人的には「約束」と並んで最もお気に入りの曲。神秘的な空気感が大好きです。
ヴォーカルの声が凄く曲とマッチしてると思います。
「森は孤独を覆い隠す」
短めのインストですが、この曲もかなり好き。パーカッシブなリズムに民族調のメロディが
乗る曲ですが、良い意味でゲーム音楽にも通じる「取っ付きやすさ」があるのが特徴。
日本人らしいメロディへの感覚の鋭さに優れた作品だと思います。
「約束」
個人的に「超」キラーチューン。とにかくメロディが神懸かってる…。
聴いているだけで心が浮き立つようなメロディというものがありますが、この曲は正にそれ。
そういう感覚だけでなく、温かさや切なさなどの感情もメロディに乗せて流れ込んでくる…
この曲と「樹海のヒカリ」で2曲1000円のシングルだとしても普通に買う。
トラッド要素の強いポップスやクサメロが好きなら、イントロのマンドリンだけで悶絶確定な名曲。
「失うもの/残るモノ」
歌メロ部分は少ないですが、ギターがメロも音色も泣いてます。
このアルバムはほぼ打ち込みらしいですが、このギターも打ち込みなんでしょうか。
でもこの曲のギターの音色凄い好き。何気に名曲です。
「ファンタジア」
アルバムのラストを飾るバラード。イントロでまず劇的なメロが出て、一旦落ち着いてから
またサビへ向けて盛り上がっていく構成がSOUND HORIZONっぽいと言えるかも。
この曲もメロの泣き具合が素晴らしいですね…ラストストリングスが入ってくるところなんて
もう「泣け」と言わんばかりの叙情性です。4分弱と短めですが、充実したエンディング曲。
すみません、長くなりました…。参考にしているメタルレビューサイトで評価が高かったので
買いましたが、これは良い買い物をしました。これだけのものを聴かせてくれて、
値段がたったの700円強というのはなんだか逆にこっちが申し訳なくなってしまいます(笑)
そういえば、ASRIELも出している音が確信に満ちているから大御所だと思っていたら、実は
去年デビューだったんですね。こういうアーティストが次々にデビューしているのだから
このジャンルの未来は明るいと言えるでしょう。
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