これはSAXONにも通ずるやり方で、ややおとなしめのオープニングナンバーの次にくる②などを聴けば顕著だろう。Set The Stage AlightというNWOBHM史に残る楽曲があり、素晴らしいアルバムのアイデアを持っていながら、その宝箱は開かれることなくゴミの山でと埋もれた過去、その悲劇的な運命を自ら切り開くように再結成したのだが、順風満帆ではなかったろう。しかし、今作のタイトルに込められた思い、スマートな音像だ、メロディアスだがギターソロは熱い、昔気質の黄金比を堅守するメジャーメタル式方法論。
4曲目に登場するIn For The Killあたりでノックアウトです。新しい武器を手に入れたバンド。多くのアーティストが原点回帰を行い終焉に向かう。このバンドの同様にキャリア的には最終コーナーを回ったろう。こういう外連味のない作風を叩きつけることは間違いではない。ソングライターチームの助力もあるのだろう。バラードの入り方も計算されている。 なくても良かったが大衆性を感がると必要だ。
ラストはSAMSONがやった曲でラス・バラードのRiding with the Angelsで幕が閉じるという構成にいろんな思いと含んでいるように感じるのだが、そういう深読みはやめて音そのものを楽しみたい。