この曲の、一瞬のブレイクにヴォーカルの邪悪なフレーズが挟まり、雪崩れ込む展開はかっこよすぎ。特に「Through the crust,penetrate」のところは一緒に叫びたくなります(笑)途中異様に潰れたうめき声も出てきてヤバい雰囲気。 しかし、FUNERAL MISTは歌詞の世界観も良い感じですね。神とユダが一つになった…とあったので、どうなるのかと思ったら最後はまとめて磔に。容赦無いなぁ。
ちなみにAnne-Maryは前作で脱退してしまったようです。 The 3rd And The Mortalというとゴシックメタルに女性ヴォーカルを導入した事で先駆者としての扱いを受けているバンドと聴きましたが、今回はナレーションが主とは言えなんと男性ヴォーカルも取り入れています。でも、この男声の語りがまた不可解な雰囲気をより強めていて、リスナーを世界に引き込む一因ともなっているようにも思います。女性のほうはおそらく「PROJECT BLUEBOOK」でも活躍したKirsti Hukeが担当してます。前任の二人と比べると、音に合わせたようなちょっとそっけない歌い方。でも、時々引き伸ばすようなくどめのビブラートをかける箇所などもあって上手いです。「PROJECT BLUEBOOK」でMCも聴けますが、彼女の喋りを聴くと声質が良い事が良く分かります。
「SILENCING THE SINGING」と対を成すEP。2001年発表作品。 あちらは3000枚限定だったのに対し、こちらは2000枚限定。
「SINENCING THE SINGING」はミニマルな曲が3曲入っているというスタイルのEPでしたが、こちらは様々に音像を変化させていく、24分もの大作が一曲のみ収録されています。最初は幽霊の出る廃墟にレコーダーを置いて夜中にそれを稼動させ、録音したようなノイズで始まり、音飛びのようなノイズがリズムを刻む中ピアノが淋しげに鳴り響いたり、Garmのヴォーカルが亡霊の如く妖しく仄めいたりといった展開を見せます。基本的にノイズ中心の音楽ですね。
タイトルは「屋根裏のロリータ」と結構きてる感じですが、そういう世界観から隔絶した人…例えば大工のおっさんとかが聴いたとしても、きっとメロメロになってしまうくらいに美しい曲です。ゆったり流れる川をぼーっと眺めながら聴きたい感じ。 それにしても、「どこにいても あなたの視線でなぞってるの」という部分は、自分にも思い当たる節がありすぎで苦笑が漏れてくる(笑)その前の「地下鉄 美術館」はmetro de le musee(メトロ・ド・ル・ミュゼ)と歌ってますね。流して聴いてたら何かと思った。
2回目の「before you die young」の所の歌と演奏の絡みや、後半の「The Drapery Falls」にも匹敵する哀しみのリフなどパートごとに見ても聴き所は枚挙に暇が無いくらいですが、全体のバランスが恐ろしく良い、名盤中の名曲です。 ごくたまに「メタルは80年代(もしくは90年代前半)で終わった」と言う人を見かけますが、きっとこの曲を聴いたら考え直し猛省する事でしょう(笑)