PECCATUMの「Lost In Reverie」「The Moribund People」ではブラックの要素を残しつつも、ジャズやインダストリアル、アンビエント等の要素を取り入れた前衛的な音楽を作っていたため、もうIhsahnはそっちの暗黒芸術路線で行くのかと思っていたら、この作品は意外にもメタル要素がかなり強いアルバムになってました。
路線としてはEMPERORの4thの暴虐さを少し押さえて(それでも一般的なメタルよりは全然激しい)、「The Eruption」「Empty」「The Tongues Of Fire」等で顕著だった高貴な感じのメロディを更にパワーアップさせ、シンフォニックさを増した作風と言う感じでしょうか。 PECCATUMの3rdで見せたような音の響きそのものを追求しているようなサウンドは今回は控えめですが、それでもギターやキーボードのアレンジの細やかさはさすがIhsahnと言った感じで、過激さを求めて衝動発散の為に聴けるだけでなく、じっくり鑑賞しても楽しめる素晴らしいメタルアルバムになっていると思います。
Mutiilationのメンバーも関わっているブラックメタルバンド。 曲的にはMutiilationやHell Militiaあたりをグチャグチャにして 狂い系のリードギターをフィーチャーした感じでとてもかっこいいです。 まだデモ以外はV.A.の「From the Entrails to the Dirt」ぐらいしか まともに買える音源は無いみたいですが、早く1stを出して欲しいです。
Metal Maniac誌のインタビューでClandestine Blazeとコラボレーションしたとあって気になってたんですが、こんな豪華なスプリットが出てたんですね…ただのスプリットではなく、なんとお互いの曲を2バンドのメンバーが共演し、演奏するという趣向まであって、いてもたってもいられず買ってしまいました(笑)。
感想は…SWの「CARELIAN SATANIST MADNESS」やCBの「DELIVERERS OF FAITH」はプリブラを聴いた事が無い人でも闇に引き込みかねないぐらい、そのジャンルとしての完成度が高いアルバムだと思ったんですが、それと比べると少しマニア向けな感じ。特に音質は4トラックレコーダーで録音されたと書いてある通りかなり悪く、ノイジーだったり癖が強かったりじゃなく純粋にしょぼい感じ(笑)。特にギターの音が篭もっていてベースの音より小さいかも…
これも「Diabolis~」同様、KENOSE路線のオムニバス提供の大作(約20分)。 途中でヴォーカルが喚き気味な部分がありますが、Mikko Aのスタイル的にこういう喚きは結構貴重かも。それにしても、やっぱりこのバンドのリフ捌きはブラックの中でも頭一つ抜けてる邪悪さですね。たまらないものがあります。特に一度目のSEを挟み込むように挿入される、カオティックなリフはやばすぎ…っていうかこんな黒いリフで20分も押す曲なかなかないでしょう…ある意味最高に極悪(笑) 歌詞中のラテン語「Si non credideritis~」はイザヤ書の言葉で、確か「もし信じないのなら理解した事にはならない」という意味だったはず。「The howling of wolves~」はブレイクをモチーフにしてる…というかほぼ引用ですね。後半の宗教の比喩といい、このバンドの歌詞って何だか知的。