今まで幻想・ゴシック的な世界観だったり、心の闇を歌ったり内向きの歌を歌っていたアーティストが、外に目を向けたポップな曲に挑戦すると、今までの魅力を失って凡庸になってしまう事が多いですが、この人たちはそんなことはないのが凄いと思います。 …でも、凡庸ではないにしろ、やっぱり現時点では「Hands of doom」や「たえなる光とともに」のようなゴシック色強い曲の方が魅力的かも。
メタルのクラシカルな要素やゴスの頽廃的な雰囲気を辿ってこのアーティストに行き着いたリスナーにとっては、「hands of doom」と並ぶアルバムのキー曲。 宗教的とすらいえる荘厳な雰囲気と、ポップスと言うよりクラシックのメロにヴォーカルを乗せたような歌メロ、その複雑で早口なパートもしっかりこなし、伸びのある高音を聴かせるヴォーカル…曲を構成するパートが悉くツボを突きまくりの超名曲。
タイトルからしてかっこいい、アルバムのラス曲。 前半は適度にメロディもあるストレートな蹂躙サウンド、後半は力を称えるファンファーレのようなブラスが鳴る雰囲気たっぷりの音で、「Slay the whore! Slit the throat! Make `em crawl!」の所は一緒に叫びたくなる感じ。前作のタイトル曲や「Slave Shall Serve」に匹敵するアンセムが生まれたのではないでしょうか。
コンピ提供バージョンのANCIENT SKIN。 500枚限定シングルに収録されたものと同じテイクらしいですね。音はWolf's Lair Abyssのものより少し小さいですが、ややRAWで1stにも近い音象が非常にかっこいい。この時のManiacのパフォーマンスはブラックでも最も好きなヴォーカルなので、当り前だけどテイクの違うバージョンが聴けるのは凄く嬉しい。語りがWLAよりネチッこくて印象に残りますね。
大々的にラップをフィーチャーした曲。 …でも、こういう抽象画のような情景を浮き上がらせる手法の一つとしてラップを選択しているという感じなので、メタラーでも意外に受け入れられるんじゃないかと思います。メタラーがラップ嫌いを克服するのにいいかも。ARCTURUSの「Master of Disguise」のリミックスと合わせてどうぞ。